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Quick and Dirty

仕事の進め方の一つの方法として、Quick and Dirty(クイック・アンド・ダーティー)という考え方があります。日本語に直訳すれば、「安くできる」ということです。

もちろん、このやり方が適している場合と適していない場合がありますので、「期待値をコントロールする」で記載しているように、自分が求められていること、期待値をしっかりと確認するようにしてください。

そのうえ、以下のような場合にどのように仕事を進めるか考えてみましょう。

【依頼内容・状況】
あなたは13時に上司から資料作成の依頼を受けました。
期限は明日の朝9時までです。上司は、その後、明日の午前中をかけて資料を最終化して、明日の正午にクライアントへ資料を送付しようと考えています。
更に上司は、本日20時からクライアントとの会食があり、以降はあなたと連絡をすることができません。

このときに、あなたならどのように作業を進めるでしょうか?

【進め方@】
一つは、徹夜をしてでも、明日の朝の9時までに資料を完璧に仕上げて、それを上司に提出することです。
進め方@のメリットは、余計なレビューがないため、上司に無用な時間を使わせる必要がないことです。
進め方@のデメリットは、明日の朝9時の段階であなたの作成した資料が上司のイメージと異なっていた場合に、膨大な資料修正の時間がかかります。場合によっては、明日の正午までにクライアントへの資料送付が間に合いません。

【進め方A】
もう一つは、内容は完璧でなくて良いので、資料を一通り作成し、本日の17時頃に、上司に時間をとってもらい資料のレビューをしてもらいます。そこで、資料作成のイメージに大きくずれがないことを上司と確認し、修正が必要な場合には修正をして、明日の朝9時に資料を提出します。
進め方Aのメリットは、上司の求めている内容について、一度確認ができているため、明日の朝9時にあなたが提出した資料と上司のイメージに大きく乖離がないことです。そのため、その後の修正に大きな作業工数がかからず明日の正午までにクライアントに提出ができました。
進め方Aのデメリットは、途中でレビューしてもらっているため、上司の時間をより多く取ってしまうことです。

進め方@と進め方Aの場合には、どちらの進め方がクライアント/プロジェクトにとって、良いでしょうか?

この場合は、進め方Aが正しい進め方だと思います。結果として、明日の正午までにクライアントに資料を送付するという目的を果たしているのは進め方Aだからです。

進め方Aでは、レビュー回数を増やして忙しい上司の時間を奪っている上に、Quick and Dirty(クイック・アンド・ダーティー)で、品質の低い資料を上司の目に触れさせなくてはなりません。しかし、多少、文句を言われることがあっても、初めに少し怒られるか、後で目的を果たせず(明日の正午にクライアントへ資料提出ができない)に大きく怒られるかであれば、前者の方が断然良いと思います。

更に言えば、作業依頼を受けた13時の段階で本日17時にドラフトのレビューをしてもらうことをお願いしていれば、進め方Aは更にスムースに作業を進められると思います。

※プロジェクトの状況や上司によっては、じっくり、時間をかけて考えることを求められる場合もありますので、何を求められているかという、期待値をしっかりと確認するようにしましょう。

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