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[10の知識エリア] コスト・マネジメント

コスト・マネジメントは、PMBOKにいては、「プロジェクトを承認済みの予算内で完了するために必要な、コストの見積もり、予算設定、コントロール等のプロセスと活動」としています。

 

[10の知識エリア] コスト・マネジメント

 

<PMBOKで定義されるコスト・マネジメント>
@コスト・マネジメント計画
内容: コスト・マネジメントに係る活動の指針となる方法を記した「コスト・マネジメント計画書」を作成します。
実施タイミング: 計画時

 

Aコスト見積もり
内容: 個々の活動に必要なコストを見積もります。
実施タイミング: 計画時

 

B予算設定
内容: 個々の活動に必要なコストを集約し、プロジェクト全体のコストを算出します。承認後、コスト・ベースラインとなります。
実施タイミング: 計画時

 

Cコスト・コントロール
内容: コスト実績とベースラインとの差異を分析し、必要に応じて対応策を講じます。コスト実績とベースラインの差異分析ではアーンド・バリュー法が使われます。
実施タイミング: 監視・コントロール時

 

若手のコンサルタントがコスト・マネジメントを行う機会はあまりないとは思います。将来必要になると思いますので、アーンド・バリュー法についても合わせて説明をしておきます。

 

<アーンド・バリュー法>

 

アーンド・バリュー法では、以下のパラメータを用いて、分析を行います。

 

BAC(Budget at Completion): 総予算
EV(Earned Value): 出来高(完了済みの作業に対する予算コスト)
PV(Planed Value): 現時点までの累積予算計画値(コスト・ベースライン)
AC(Actual Cost): 実コスト(支出したコスト)
SV(Schedule Valiance): スケジュール差異 (= EV - PV)
CV(Cost Valiance): コスト差異 (= EV - AC)
SPI(Schedule Performance Index): スケジュール効率指数 (= EV / PV)
CPI(Cost Performance Index): コスト効率指数 (= EV / AC)
EAC(Estimate at Completion): 完了時総コスト見積り (=AC + (BAC - EV) / CPI)

 

実際に例を用いて、説明をしていきます。

 

【例】
(概要)
ある町に流れる川に東西に10メートルの石橋を架けるプロジェクトが立ち上がりました。東側と西側からAさんとBさんの計2名の人に仕事を発注する計画です。

 

(見積もり)
1メートルに費やす工数は5(人日/m)
人件費は1(万円/人日)
材料費は橋を1m作成するのに10(万円/m)
※1m当たり費用=1(m)×5(人日/m) ×1(万円/人日)+ 1(m) ×10(万円/m)=15(万円)

 

(10営業日後の実績)
Aさんは2mを完了し、材料費は20(万円)
Bさんは1.5mを完了し、材料費は25(万円)

 

(各パラメータ、および分析結果)
BAC(Budget at Completion): 総予算
所要期間 = 10(m)×5(人日/m)/2(人) = 25(日)
BAC = 15(万円/m)×10(m) = 150(万円)

 

EV(Earned Value): 出来高(完了済みの作業に対する予算コスト)
10営業日後に完了済みの橋 = 1.5(m)+2(m) = 3.5(m)
EV =15(万円/m)×3.5(m) = 52.5(万円)

 

PV(Planed Value): 現時点までの累積予算計画値(コスト・ベースライン)
10営業日後に完了予定の橋 = 10(日)/5(人日/m)×2(人) =4(m)
PV = 15(万円/m)×4(m) = 60(万円)

 

AC(Actual Cost): 実コスト(支出したコスト)
10営業日後に完了済みの橋 = 1.5(m)+2(m) = 3.5(m)
10営業日後の人件費 = 10(日)×2(人)×1(万円/人日) = 20(万円)
10営業日後の材料費 = 20(万円)+ 25(万円) = 45(万円)
AC = 20(万円) +45(万円) = 65(万円)

 

SV(Schedule Valiance): スケジュール差異 (= EV ? PV)
SV = 52.5(万円) - 60(万円) = -7.5(万円)
⇒7.5万円分の作業(0.5m分)が遅延している

 

CV(Cost Valiance): コスト差異 (= EV - AC)
CV = 52.5(万円) - 65(万円) = -12.5(万円)
⇒12.5万円分のコスト超過が発生している

 

SPI(Schedule Performance Index): スケジュール効率指数 (= EV / PV)
SPI = 52.5(万円) / 60(万円) = 0.875
⇒「1」より小さい場合は作業効率が悪く、「1」より大きい場合は作業効率が良いことを示している

 

CPI(Cost Performance Index): コスト効率指数 (= EV / AC)
CPI = 52.5(万円) / 65(万円) = 0.808
⇒「1」より小さい場合はコスト効率が悪く、「1」より大きい場合はコスト効率が良いことを示している

 

EAC(Estimate at Completion): 完了時総コスト見積り
EAC = AC + (BAC − EV) / CPI = 65万 + (150万 − 52.5万) /0.808= 約 185.7万円
⇒当初の予算に対して、36万円程度コストが超過することが予測される


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