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[ボトムアップ型業務分析] 検討軸の作成

業務分析をする際には、質問内容や検討内容をクライアントに確認する前に、まとめておくことが必要です。この質問内容や検討内容の項目のことをこのサイトでは、検討軸と呼ぶことにします。

検討軸が必要な理由は、ヒアリングや検討を効率よく、かつ、MECE (抜け漏れダブりなく)に行うようにするためです。

[ボトムアップ型業務分析] 検討軸の作成

検討軸を作成する際のポイントは大きく3つあります。
@仮説ベースで作成し、ブラッシュアップすること
Aフレームワークを活用すること
B階層を分けること

これらについて、順番に説明をします。

@仮説ベースで作成し、ブラッシュアップすること
まず、クライアントへ直接のヒアリング前などは特にそうですが、質問内容や検討内容の全てを事前に把握することは当然できません。しかし、極力抜け漏れなく、効率よく業務を把握するためには、事前に検討軸を作成することが必要になります。

まず、既存のクライアント資料で参考になる情報がないかを探すことが第一歩になります。資料作成の基本として、0から資料を作らないということがあります。

極力ありものの資料から使えるものは使うようにしましょう。例えば、過去の関連するプロジェクトがあって似たような調査をしているならば、その検討項目を使うことが良いかもしれません。

また完全に流用は難しい場合でも参考になるような情報を探しましょう。例えば、既存の業務フローの項目ごとに業務を確認していくことで検討観点に抜け漏れが無くなるかもしれません。

それでも参考になる資料がまったくない場合には、プロジェクトの目的に沿うように、その時点で確認できる情報を仮説ベースで膨らませ、参考文献、類似プロジェクトを参照して検討軸を作ることになります。

このように全ての情報をクライアントから聞き出す前に、検討する内容を仮説ベースで洗い出すことが重要です。

そして、一度ヒアリングを行った段階で事前の仮説ベースの検討軸に足りない観点があれば、追加していきブラッシュアップをします。

Aフレームワークを活用すること
検討軸を作成する際に、関連する資料がクライアントから提示されない場合には、参考文献や類似プロジェクトを参考にして仮説ベースで作成する必要があると記載しました。

この時に更にフレームワークを活用すると、MECE(漏れなくダブりない)感が出てくるので良いです。

例えば、Value Chain、QCD、5W2H、PPTなどは、業務分析をする際にはまりの良いフレームワークだと思いますので、活用する機会もあるかもしれません。

また、このようなフレームワークを活用することで、クライアントすらも気がついていないような観点も加わり、調査・検討に抜け漏れが少なくなるだけでなく、納得感を持って検討軸が受け入れられやすくなります。

これは、フレームワーク自体が定着している場合に、その観点から検討が進められているという安心感を与えることができるからです。

B階層を分けること
そして、検討軸はしっかりと階層分けをすることが重要です。階層分けとは、検討軸の大項目、中項目、小項目の階層のレベル感を合わせることです。

各階層のレベル感がしっかりと合わっていることもMECEであるためには重要なこととなります。

なお、AとBに関しては、実はロジックツリーを作成していることと同じことになります。

【製造ラインの生産性向上にかかる課題】

[ボトムアップ型業務分析] 検討軸の作成


例として上記のような検討軸を作成しました。

黄色のセルに関しては、クライアントから事前にこのようなところに課題がありそうだと聞いていました。このような状況で検討軸をどのように作っていけばよいでしょうか。

@仮説ベースで検討軸を作成していきます。有りものの資料があれば、それを活用することが大切です。しかし、今回は参考になりそうな資料や情報をクライアントから引き出すことができなかったと仮定します。この場合には・・・

A何らかのフレームワークを用い、検討軸を組み立てます。上記ではPPT(Process, People and Technology)を大項目に据えました。そして、中項目、小項目については、クライアントから事前に聞いている情報を埋め、さらに、黄色以外の項目については、参考文献や、過去のプロジェクトを参考にして、仮説ベースで埋めていくようにします。

B大項目、中項目、小項目の階層のレベル感があうように検討軸を作成していくようにしましょう。

上記の検討軸に基づいて、ヒアリングを行います。ヒアリングをする上で、抜けている観点があれば、項目を追加することや検討軸の構造そのものの変更をしながらブラッシュアップをしていきます。

この検討軸を作るということは、ヒアリングシート、課題検討、成果物一覧、依頼資料の一覧など作る際に使えますので、ぜひ、身につけるようにしてください。

繰り返しますが、有りものの資料がある場合には、それを活用するようにしましょう。ない場合には、ロジックツリーを作る要領で、検討軸を作成していくようにしましょう。

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