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[ボトムアップ型業務分析] As-Is業務の調査

業務分析の背景・目的が明確になった後には、現状の業務、つまりAs-Is業務について、明確にしていく必要があります。

[ボトムアップ型業務分析] As-Is業務の調査

特にボトムアップ型で業務分析をするときには、As-Is業務を把握することが大切です。

課題がどこにあるのかということを理解するためにも、As-Isがどうなっているのかを知らないことには話になりません。

では、As-Is業務の調査とはどのようなものでしょうか?

As-Is業務を調査する際には、大きく二つの方法しかありません。

@資料を読み解く
Aクライアントに確認

それぞれの場合について、As-Is業務を明確にする方法を説明します。

@資料を読み解く場合
クライアント企業が保持している既存資料からAs-Is業務を読み解きます。ここでクライアント企業が保持している資料とは以下のような資料です。
・事業計画書(スコープとなる事象部門の事業計画書)
・組織図(スコープとなる事業部門の組織図)
・業務フロー(スコープとなる事業部門の業務フロー。業務フローとは、役割ごとの業務がステップバイステップで記載された資料です)
・業務定義書(スコープとなる事業部門の業務定義書。業務フローで記載されている業務の詳細を定義した資料)
・サービス定義書(スコープとなる事業部門のサービスが定義された資料)
・各種台帳(スコープとなる事業の管理台帳)
・要件定義書(スコープとなる事業に関連するシステムの要件定義書)
・これまでのプロジェクトの資料(スコープとなる事業に関連するプロジェクト資料)など

業務分析の背景・目的を踏まえて、上記のような関連しそうな資料をクライアントに依頼して、提示してもらいます。

As-Is業務を確認するときに中心となってくるのは、業務フローと業務定義書ですので、重点的に確認をする必要があります。

また、資料を依頼するときのコツとしては、提示してほしい資料の一覧を作るとクライアント側でも資料を提示しやすくなります。

提示資料の一覧については、何らかのフレームワーク(例えば5W2H)に基づいて、依頼資料一覧を想定で作っていくと抜け漏れが少なくなります。

また、資料を依頼するときには、背景・目的を踏まえてなぜその資料が必要なのかということを明確にする必要があります。

これは、心理学でも証明されていることですが、何かを依頼するときには理由を添えると相手に動いてもらいやすくなるからです。

ただ資料を出してほしいと言っても業務と関係なない仕事のために、わざわざそのような作業をするのって気が進みませんよね。

ですから、簡単でも良いので理由を添えると相手に動いてもらい安くなります。

Aクライアントに確認
クライアントから資料が思ったほど提供されない場合には、As-Is業務について、クライアントに直接確認をすることが必要になります。

この場合には、何かしらの資料を元にして、仮説に基づいて、検討軸やヒアリング項目を作り、As-Is業務を明らかにしていきます。

具体的な、As-Is業務のヒアリングの方法は課題を確認することと同じ作業をすることになりますので、詳しくは、「検討軸の作成」および「課題の洗い出し」の項で説明をしてきたいと思います。


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